今あなたは自分の心が自分の思う通り動かない、そしてその傾向が極端なことに苦しんでいることと思います。 今の状態は、あなたの心(ソフトウェア)は大丈夫だけれど、脳(ハードウェア)が過負荷など何らかの問題で、 故障箇所が出ている状態と同じことです。あなた自身(ソフトウェア)が現時点で壊れたわけではありません。 ハードが壊れたパソコンがまともに動くわけがなく、間違った出力を吐いたり不安定になりますよね。 アレと同じことです。 ただし、パソコンがCPUなど部品を交換すれば直るのとは異なり、脳の一部を簡単に交換するわけにはいかず、 また壊れた部分も直せないか、直るとしてもたいへんな時間を必要とします。 これに対して、今あなたが普段のあなたを取り戻すためにできることは、今のところ以下の2つになるでしょう。 1.壊れたハードウェアをなんとか強制的に仮復旧させて使う 2.ソフトウェアを書き換えて、壊れた部分を回避して動くようにする 1.は薬物療法に当たるものです。 ただ、人間の脳の仕組みは相変わらず完全に解明されたものではないので、ピンポイントで壊れた箇所を 特定し叩き直すような薬はありません。 もちろん脳を叩き割って見るわけにもいかないので、外から分かることから手探りでどの道具(薬)が 役に立つか試してみないといけない状況です。 これが、効く薬と効かない薬がある理由なので、ある薬を試して効かなかったからといって、簡単に 諦めてしまったり、精神科の先生を疑ったりしないようにしてください。 2.は心理療法(カウンセリング等)です。 あなたの心自体を、不調をきたしたハードウェアに再度適合させるために、いろいろな手段であなたの 心自体を壊さないようにしながら、故障箇所の回避処理を行えるよう書き換える操作にあたります。 残念ながらこちらも、バグ修正版ソフトを書き込んで済むのとはわけが違うので、たいへんな努力と 時間を必要とする療法になり、なかなか成果が見込めないので時には途中で挫折するかもしれません。 でも、壊れた部分を簡単には直せない以上、根本的な調整を可能にするのは、こちらの方が 急がば回れ的な良い方法だと言われています。 1.と2.は同時に行えるので、両方をうまく併用して回復に向かおう、というのが一般的な治療方針に なると思います。 あるいは、1.で様子を見ながら、2.が自然に起こるのを待つ。 1.をばっさり切って、根本的に2.からはじめる。 など、いろんな方針があると思います。 もちろん1.だけで比較的楽に治ったりする例もありますが、一般的にはこういった治療に最低でも 半年程度は見ておかないといけないでしょう。 慌ててすぐ治る、治さないと、と思ったり、元気にならないと、と追い込んだりするのはダメです。 いつもより余計にスローライフで。